小惑星探査機はやぶさ

小惑星探査機はやぶさ2がリュウグウへのタッチダウンが成功したとのニュースから暫く経ちますが、今回はその前身になる初代の小惑星探査機はやぶさ(以下「はやぶさ」)がイトカワから帰還した際の1つのエピソードについて書きたいと思います。

はやぶさは小惑星イトカワのサンプルを採取して帰還する事を目的に飛ばされます。
道中多くのトラブルに見舞われ、なんと推力を生むエンジンが全損してしまう事態に陥ります。
地球から約3.2億km離れた小惑星で推力エンジンが全損した「はやぶさ」はどのようにして帰還できたのか。

キーになったのはたった1つのダイオードでした。現場のエンジニアの独断で取り付けられたものだとも言われています。
はやぶさはこのダイオードのおかげで故障したエンジンの生きている部分同士をつなぎ合わせて新たに1基のエンジンを作り出すことに成功します。
本来の設計では全く不要な筈のダイオードを仕込んでおいた結果、エンジン全損という危機的状況から復活し、帰還を果たし、人類初の偉業を成し遂げる訳です。
この時のエピソードについて、エンジンの開発者である國中均氏は次のように答えています。


質問者「おそらくそれは本来必要のないもので、コストも掛かるものです。他の可能性もおそらく捨てたと思いますが、それをあえて入れたという根拠というか勘というか、そういったものはどこから来たのでしょうか?」

國中氏「おっしゃる通り、(略)コストと時間と費用をかければ簡単にできます。ただ、衛星として質量というのも大きなパラメーターでして、ただそんなことをしては成立をしないのは明らかです。はやぶさは500キロしかないものですから、(略)とてもそういったことを提案できる環境にはありません。そこがやはり頭の使いどころです。十分な質量と費用と時間を掛ければ何でもできます。」

國中氏「そうではなくて、たった1グラムでそれを実現できるような回路構成を考えるのが、キーだと思います。実際にはやぶさの場合、ダイオードを1つ加えただけですから、何グラムの質量増です。それであれば、自助努力で回復させることはできます。ですから当然ながら、我々の立ち向かわなければいけない技術的な境界条件を満足した上で、想定される事象に対応できるようなシステムを提供するということです。皆さんエンジニアですから、その分野についてはプロフェッショナルなわけで、そういった境界条件を満足するようなソリューションを提供できるタレントを持っているからこそ、みなさんはプロフェッショナルなのだと思います。」



最後の1文は、エンジニアと税務で分野は全く別ですが、その道のプロとして働く者として心に響いたので紹介をさせて頂きました。
ちなみにこのエンジン同士を繋ぐ回路は「はやぶさ2」では正式に採用されています。

最後に、下の画像は「はやぶさ最後の一枚」として有名な画像です。この画像についても様々なエピソードがありますので、ご興味のある方はぜひ調べてみてください。
はやぶさ最後の1枚

【担当:立里】
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