会計と税務を繋ぐ税効果会計

元号が平成から令和に変わり、様々な媒体が続々と新元号に対応されていくのを見てようやく改元された事に対する実感が沸いてきました。

今回は損益計算書の「税引前当期純利益」、「法人税等」、「当期純利益」の関係について書きたいと思います。
一般的に経理と言われる業務は1949年に公表された「企業会計原則」という基準に基づいて行われています。しかし、税金を計算する際は税法に基づいて計算がされるため、両者には食い違いが出てきます。

利益と所得
会計上の利益とは企業活動の結果であり、税務上の所得はここに課税の公平や産業政策上の配慮等を加味した金額になります。そのため、一般に会計上の利益と税務上の所得は金額が異なります
当期は業績が悪いのになんでこんなに税金が高いんだ!あの大企業は全然税金を払っていない!といったお声の原因はこの計算方法の違いにあります。



もう少し掘り下げますと、企業会計原則では費用収益対応の原則というルールがあり、収益に対応したコストのみが当期の費用として認識されます。この対応関係が守られる事により、企業は会計期間を通じて「儲かった」「損した」と判断できる訳です
しかし、法人税等は別のルールの下で計算された金額であるため、この流れに入れてしまうと、せっかくの対応関係が崩れてしまう事になります。
極端な言い方をしますと、このままでは「税引前当期純利益」と「法人税等」は全く関係のない金額になっています。無関係な金額2つを差引きした結果を「当期純利益」と呼んでいますが、本当に言葉の通りの意味を成しているとは言えません。
PL.jpg

そこで登場するのが税効果会計であり、この対応関係が維持できるように考えられた会計の一つのテクニックです。
利益に対する税額と、所得に対する税額の差額を「法人税等調整額」として法人税等の金額に加減算します。すると、「税引前当期純利益」から「当期純利益」まで統一されたルールの下で計算される事となり、損益計算書末尾の「当期純利益」も本当の意味での当期純利益を表すことになります。
税効果PL



今回紹介したのは企業会計原則に基づいた会計処理ですが、実務においては税務上の処理が優先される事も多く、費用収益の対応が図れていない会計処理もたくさんあります。厳密に会社の当期純利益を知りたい場合の手段として紹介をさせて頂きました。
ただし注意点としまして、今回ご紹介したのは税効果会計の概要に過ぎません。実務で処理する上では他にも制約がございます。採用される際は必ず顧問税理士にご相談下さい。

【担当:立里】

不動産を転用した際の必要経費の考え方

立里です。
関西では間も無く梅雨明けというタイミングで連日大雨が続いており、気分が晴れない日が続きます。

さて今日は所得税法における不動産を転用した際の経費についてお話したいと思います。転用とは非業務用から業務用に変える事、またはその逆の事を指します。
自宅を賃貸に出す事を想定して、次の①~⑤について考えてみましょう
図1


【必要経費の考え方】
必要経費とは、税法上「当該収入金額を得るために直接要した費用の額及びこれらの所得を生ずべき業務について生じた費用の額」と記されています。
つまり収入を得るために発生した費用が必要経費だと認められるわけです。しかしこの部分が曖昧であり、国税庁のHPを見てもはっきりとした答えは書かれておりません。
上記の例で考えると、「④,⑤だけが必要経費だ」という人もいれば、「①~⑤全て必要経費だ!」と言う人もいるでしょう。実際、転用するにあたって支出したお金ですから、費用になりそうな気持も理解できます。
ここで大事になるのが業務関連性と言われる考え方で、具体的にはどこからどこまでが一連の流れなのかという事です。

【不動産の一連の流れ】
不動産の一連の流れとは、裁判の判例などを確認すると取得→使用→廃棄・退出と解釈されています。最後の手放す部分まで含まれているのがポイントで、自宅の場合は退出するまでが非事業用の一連の流れです。
今回のケースに当てはめると、①,②は自宅の退出にあたり、必要経費として認められない可能性が高いです。一方④,⑤は事業の開始にあたるので必要経費として認められます。③についてはどのように判断するかで、意見が分かれるグレーゾーンになると思います。

【白黒はっきりさせるためには】
曖昧な書き方がされている不動産経費を最大限認めてもらうため、支出した費用と事業の関連性を明確にしておく事が大事になります。
先ほどの③の例でいうと、クリーニング後すぐに賃貸に出したことが明確であれば十分に関連性があると言えるでしょう。しかしクリーニング後も少し住んでから賃貸に出していては、事業との関連性は低いと言わざるをえません。
図2


転用した場合の不動産経費の考え方について述べてきましたがいかがでしたでしょうか。
個人的に特に注意して欲しいのは図の①です。例えばこれが「土地を貸し出す為に自宅を取り壊す」といった場合も同様で、自宅の取壊し費用が不動産経費として認められないケースがあります。支出額が大きいため税額にも大きな影響を与えるので、注意が必要です。

平成30年6月から「民泊新法」が施行された事により、不動産を転用する機会が増えてくるかと思います。その際にこの記事が少しでも参考になればと思います。

小規模企業共済制度のご紹介

 経営者個人の節税方法としてお勧めしている制度として、小規模企業共済制度というのがあります。

 この制度は、経営者の方が廃業したり、退職されたりした場合に、その後の資金を手当てするために作られた制度で、いわば「経営者の退職金制度」です。
 メリットは次の通りです。

①毎年積み立てる資金が所得控除の対象となる。
  
②退職等で積み立てた資金を受け取る時、税法上、退職所得扱いされる。

 つまり、毎年の所得税の軽減効果があり、受取時も退職所得控除等によって税負担が軽くなる制度設計となっています。

 デメリットは、240ヶ月掛け続けないと解約時に元本割れする点です。
但し、資金的に厳しい場合は掛金を減額して、中途解約しないことがお勧めです。

詳しい加入条件等は中小企業基盤整備機構のHPに掲載されていますので、そちらをご覧ください。

※中小企業基盤整備機構のHPはコチラ


【担当:橘 篤】

体重計と月次決算

夏痩せをしたと思っていましたが、最近体重計に乗ると増えていました。。。体重。。
夜更かしと深夜の間食が原因だと頭でわかっていても。。。だめですね。
馬肥ゆる秋の福岡です。

客観的に数値が出ると、受け入れたくない現実も受け入れざるを得ません。
月次決算も体重計と似ていて、良くも悪くも数値を直視することになります。

数値を一緒に見て、原因を考えて頂くことで、対策を実行する際、自信をもって行動に移すことができるでしょう。
行動が着実に成果となって表れているかどうかも、次の月次決算で確認できるでしょう。
月次決算ときちんと向き合うことで、自社やご自身の「これから」につなげることができます。

先日あるセミナーで、「効果的に節税をするなら、タイムリーに月次決算を進める体制づくりが大切です。」というお話を最後にしました。節税を効果的に実行するにも、月次決算が大事なんです!!ということを参加者の方にもお伝えしたかったのです。
セミナー受講後のアンケートの今後聞いてみたいテーマの回答欄に「月次決算」と書いてくださった経営者様がいらっしゃいました。
このアンケートを拝見したとき、夜更かしした甲斐があったなと思いました。

今後私の話に説得力を持たせるためにも、私も体重を60キロ台に戻してゆきたいですね。。
私も体重と向き合って「これから」のあるべき姿に戻ります。

10月19日のセミナーに所長杉浦と共に登壇することになりました。
積水ハウス様と積水ハウス信託様のご支援を頂き、杉浦が信託の話を、福岡が法人活用のお話をさせて頂きます!
10/19セミナーパンフレット


外国税制

日を追うごとに暑さが厳しくなってまいりました。
お身体にお気をつけて、お過ごし下さい。

今回は外国税制に関して、執筆いたします。
近年、人件費や原材料費の圧縮、マーケットの拡大などから、海外進出する日本企業が増えています。
こうした海外進出の際には、税務上の影響を常に考えておく必要があります。

東南アジアに実在するK国の法人税を例に日本法人税と比較して、どのように異なるか軽くご紹介しましょう。
(普通中小法人を例にしております。)

・税率
 日本…19%若しくは23.4%
 K国…20%

・月次申告
 日本…行う必要なし
 K国…行う必要あり

・交際費、接待費
 日本…年間800万円まで、若しくは接待飲食費の50%まで
     損金として認められる
 K国…損金として認められない

いかがでしょうか。
軽く触れただけでも日本と外国の税制の違いがわかりますね。
月次申告がある国では、毎月申告を行う必要がありますので、特に注意が必要となります。

また、海外進出する際は日本と進出先の国とで租税条約が結ばれているかも確認しておきましょう。
租税条約が結ばれていなければ、日本と外国の二重課税となり非常に重い税負担となります。
※ 二重課税とは、外国で課税された所得について、日本でも
  課税されることを指します。

海外進出を行う際には、経営者の方々は税務面にも目を向けてご検討下さい。
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